520名無しさん@おーぷん2014/11/30(日)18:46:18ID:Lkq
俺は無言の息子にも「お前もか」と言った。
息子は小さく頷いた。
そして俺は嫁の顔を見た。
冷徹な嫁の視線がそこにあった。
(ほらね、結局こうなるのよ)と言いたげな勝ち誇った表情に、居た堪れなくなった俺は負け犬の様に離婚届をつかむとそのまま家を出た。
悔しくて情けなくて公園の公衆便所に閉じこもってひたすら泣いた。

翌日、実家に帰り、年老いた父に離婚を告げた。
すっかり涙もろくなった父はそれを聞いて目頭を押さえた。
可愛いがっていた孫にもう会えなくなると思ったのだろうと思うと、少しだけ離婚に踏み切った事を後悔した。
しかし全ては後の祭りだ。
だからといって嫁のところに頭を下げるつもりはさらさらなかった。
妹にも携帯で離婚を告げた。
憔悴しきった自分を見せたくないから携帯で済ませようと思った。
妹に怪しいと思っていたと言われて驚いた。
母の葬儀のときに手伝ってくれていた嫁が手が空いて、妹と一緒に何となく昼のドラマを見ていたそうだ。
それがちょうど社長と社員の不倫の話で、妹が「こんなこと現実じゃ怖くてできっこないよね」と言ったら、嫁の視線がちょっとだけ泳いだそうだ。
社長夫人といい、女の嗅覚は凄いんだと改めて思い知らされた。








521名無しさん@おーぷん2014/11/30(日)18:46:33ID:Lkq
結局、全てが嫌になった俺は会社を辞めた。
全てリセットしたくて携帯も銀行口座も変えた。
後で妹から嫁が慰謝料を払いたいと言ってきてると連絡が来た。
俺が頑なに離婚を譲らないから子供と組んで賭けに出たのだと言っていたらしい。
妹が兄は行方不明だと告げると、自殺してしまったのではないかと心配していたそうだ。
しかし今更そんな事はどうでもよかった。
とにかく俗世と離れたかった俺は当てもなく東北に向かい、最終的にそこに定住した。
月収11万の水道検診の仕事で何とか食いつないだ。
さすがにそれじゃ足りなくて日給10000円で水曜日だけボロアパートの管理人の仕事をすることにした。
老人ばかりのアパートで最初は辟易したが、住人が思いのほか俺を可愛がってくれた。
残ったおかずや使わない贈り物やらを俺にくれて大いに生活に役立った。
妹も気にかけてくれてフリマで見つけた服を俺に送ってくれたりした。
久しぶりに訪れた安穏の日々だった。

しかし残念ながらいいことばかりでもなかった。
父が町会の草刈の途中で倒れ、そのまま逝ってしまった。
多分、俺のことでの心労もあっのだと思う。
一応訃報は妹経由で嫁宅にも知らせたらしいが、嫁はともかく二人の子供も葬儀には顔を出さなかった。
父の葬儀のときに妹から嫁が副社長に就任していることを聞かされた。
社長が罪滅ぼしに昇進させたのかなと俺が言うと、社長側は離婚回避したのだから多分そうだろうと妹が言った、
社長夫婦が再構築したという話は初耳だった。
妹宅に尋ねてきたときに知らされていたらしい。








1001オススメ記事@\(^o^)/2018/07/12 08:02:00 ID:gossiptale